KUROZOME REWEAR FROM KYOTO

「黒染」によるリウェア。100年以上「黒染だけ」を追求してきた、
京都紋付が提供する、着れなくなった衣類を黒く染め上げるサービス。

シンプルながら力強さを感じるサービス。こちらは株式会社京都紋付さんが提供する世界一の黒への挑戦

1915年創業の京都紋付さんは日本の伝統的な正装である黒紋付だけを、100年間染め続けてきた企業です。

ところで、企業名にも記載されていますが「紋付」ってご存じでしょうか?

※画像が紋付袴。

紋付袴は「もんつきはかま」と読み、紋付羽織袴(もんつきはおりはかま)が正式な呼び名です。

和装における男性の第一礼装とされており、紋付袴の代表的な「黒紋付」は、もとは平安時代のお葬式の際などに使用されていた服で、その際、黒の濃淡で死者との親しさを表現していました。

親族などの親しい方が亡くなった時は漆黒を、あまり親しく交流することが無かった方のお葬式の場合は鈍色(にびいろ)という浅い黒色を身にまとう。

これは着物の生地を染色する際、黒は一度では染まりきらず何日も繰り返し染めていかねばならないため、手間暇をかけた漆黒の着物は生前親しかった方のお葬式に相応しいとされていたのです。1

その後、江戸時代の武士たちが紋付袴を「略礼服」として、結婚式にお呼ばれした時などにカジュアルに着るようになりました。

黒紋付の歴史をたどると日本では黒紋付は「高貴」の象徴として扱われてきています。

深い黒を出すには染め職人の熟練の技をもとに染料の温度を微妙に変化させ、数十回にもわたって生地を上下させて染めを繰り返さなければいけないため、黒ければ黒いほど上質とされていたのです。

その結果日本の黒染めの技術は世界最高レベルの黒さを実現できるようになりました。2

※豆知識ですが裁判官が着る衣類は「何ものにも染まらない」という意味から絶対的な公正を象徴する黒が用いられています。

深黒(シンクロ)

京都紋付さんでは、黒をより一層黒くする深黒加工という独自の染色技法を開発しています。

これは一旦黒染加工を施した後、天日干しで一点一点乾かし、さらに深黒加工を行い、もう一度天日干しすることによって、黒さをより一層際立たせるもの。

この深黒加工は、光を吸収して黒く見せる京都紋付独自の技術で、この技術は洋装界において他の追随を許さない究極の黒を実現しているのです。

さらにこの「黒」は洗濯しても色落ちせず、撥水効果もある。

独自の反応染料と深黒加工で、「世界でも類を見ない黒」に染め上げているのです。

深黒加工 / 深黒未加工

製品のご紹介

黒染めサービス

そんな黒染めのプロフェッショナルである京都紋付さんが、一般衣類の染め替え事業を始めたのは2013年から。

もともとは宅配キットを作り、消費者に送ってきてもらったものを染め替えるというフローだったものをデジタル化。

使用方法はとても簡単でこちらのページから申し込む衣類を選択してオンラインでお申し込みができます。洋服だけではなくbagやcapも染め直しができるのが嬉しい。

あとは衣類を梱包して発送して、家に届くのを待つだけです。※染め替え期間は1か月ほど。

ただ注意点としてポリエステル100%やナイロンは染色が不可。下にあるように素材によってできるものとできないものがあるので発送する前に確認が必要です。

価格も一般的なT-shirtであれば3000円から染め直しができる。denimも6000円から染め直しが可能とリーズナブル。

これまでの歴史と技術を考えるとこの価格帯で黒染めが体験できるのは大変ありがたく感じます。

まとめ

日本には黒という表現はいろいろあります。涅色(くりいろ)や墨色(すみいろ)や漆黒(しっこく)など。

でも英語だと「BLACK」だけ。

これは瞳が黒いからこそ黒をいろいろ見分けられる日本人特有の感覚なんです。

瞳が黒いと瞳孔から吸収される光の量が圧倒的に調整されるから、微細な色彩の変化を感じ取れる。

実際に使用した方の声などを見てみると、洋服にも様々なストーリーがあるなと感じさせられます。「お気に入りの白い洋服にシミができてしまって」「長年着てくたびれたオーダーメイドのシャツをよみがえらせたい」「孫の着なくなった洋服を大事にしたいが黄ばんできたから」などなど。

思い出を残すためでも、100年の歴史を肌に感じるでも、カジュアルに黒染めの技術を体験してみてはいかがでしょうか?

黒に対する見方が少し変わるサービスのご紹介でした。

  1. 紋付袴って何?歴史や格式、卒業式当日トイレの仕方まで ↩︎
  2. 黒人の文化:株式会社 京都紋付 ↩︎